しじみを迎えに動物愛護センターへ
2016年2月28日。
いよいよ、しじみを譲渡してもらう日になりました。
2段ケージをリビングに設置し、ケージの1段目にはトイレと食器。
後日、「トイレと食器の位置は離した方が良い」という話を聞くのですが、それをこの時点では知らず、またしばらくはケージ内での生活になると考えていたので、両方とも置きました。
2段目に、自分が使っていた座椅子のようなボア素材のクッションを置いて、猫がくつろげる場所を作ったつもりです。
買ったばかりのキャリーバッグに、ペットシーツを敷き、動物愛護センターへしじみを迎えに行きました。
保護されてから実施した検査や駆虫薬の使用、耳ダニの除去をしたことについての説明を受け、書類を受け取ったあと、ワクチン接種と避妊手術をするように言われました。
猫の飼い方についてのリーフレットや注意事項が書かれた紙などをもらい、一通りの手続きが終わると、職員さんがキャリーバッグを持って、しじみのいる部屋へ。

ケージから出され、キャリーバッグに入れられたしじみは、「にゃあーーーーー。にゃあーーーーー」と、ひっきりなしに鳴いていました。
不安だったのだと思います。
キャリーバッグを受け取り、「しっかりお世話します。避妊手術をしたら連絡します」と動物愛護センターの人に伝えて、しじみを家に連れて帰りました。
多頭飼育崩壊で保護された猫
家に帰り着くまでの間、しじみはずっと鳴き続けていました。
動物愛護センターから、私の家までは車で1時間ほどです。
その間ずっと、途切れることなく鳴いているんです。
どこに連れて行かれるかわからないから、怖がっていたんでしょうね。
動物愛護センターの人の説明によると、しじみは多頭飼育崩壊の末に保護されたそうです。
多頭飼育崩壊とは、ざっくり説明すると、避妊・去勢手術をせずに猫を飼ったことで、妊娠出産を繰り返し、猫がどんどん増えていってしまい、飼育しきれなくなってしまう、という状態を指します。
そうなってしまう事情は様々です。
避妊手術などを適切に行なっていても、猫を迎え続けた結果、飼育数の限界を超えてしまう、ということもあるようです。
多頭飼育崩壊した飼い主から保護したということで、外猫ではなかったため、しじみは生年月日も推定(飼い主申告)ですがわかっています。
2015年7月1日です。
保護されたのは、2016年1月30日。
私が貰い受けたのは2月28日なので、生後7ヶ月です、と言われました。
外猫ではなかった、という情報はありますが、多頭飼育崩壊した現場で、どのように生活していたのかについては、わかりません。
ずっと鳴き続けているしじみの声を聞きながら、懐いてくれるかなあ、と少し心配する気持ちがありました。
だけどそれより、今から猫と一緒の生活が始まるんだ、という喜びのほうが圧倒的でした。
実家の猫「たま」のように、全然人に懐かない、触ろうとすると「シャーーーーー!」と威嚇する猫なのか、それとも、懐いてくれるのか?
わくわくしながら家に帰り着き、キャリーバッグの中のしじみに、「今日からここがしじみの家だよ。よろしくね」と声をかけました。
しじみは、しじみ
ちなみに、保護猫をお迎えする際、ほとんどの飼い主さんが、新しい名前を付けます。
保護施設では、個体識別のための仮の名前を付けられることが多いようです。
極端な例ですが、4兄弟だから「いち、にい、さん、しい」という名前が付けられて、ホームページで紹介されている、というような感じです。
しじみは、適切な飼育状況ではなかったかもしれませんが、一応、飼われていました。
でも、「しじみ」という名前は、飼い主が付けたものではないような気がします。
多頭飼育崩壊の現場で、全部の猫に名前が付けられているとも思えないので。
動物愛護センターの人、もしくは保護した団体の人が付けた、仮の名前なんだろうな、と思いました。
しじみの黒白の模様が、貝の「しじみ」を連想させる感じもあったので、それで「しじみ」という名前にしたのかな、と。
お迎えするにあたり、名前をどうするか? ということを少しだけ考えましたが、新しい名前は付けないことにしました。
「小柄でカワイイしじみちゃんです」
この子は、「しじみ」です。
愛護センターの人にもそう呼ばれていたし、ホームページでそう紹介されていたし、私も「しじみ!? 黒白の柄にぴったり! なんてかわいい名前なんだ!」と思っていました。
しじみは、しじみ。
それ以外の何者でもありません。
猫って、こんなに鳴くものなんだ
しじみをキャリーバッグから出し、用意していた首輪をつけました。
嫌がっていましたが、爪を立てて引っ掻くとか、噛み付くということもなく、首輪装着に成功。
愛護センターからもらってきた、しじみが使っていたオレンジ色のフリースと、薄いピンクの毛布の切れ端のような布を、クッションの上に置いて、しじみをケージの中へ入れました。
ケージの扉を閉めると、しじみは「にゃーーーーー。にゃーーーーー」とまた鳴きはじめます。
実家の「たま」はあまり鳴かない猫なので、ずっと猫が鳴き続けているというのが新鮮で、猫ってこんなに鳴くものなんだ、と思いました。
ケージの2段目に用意したクッション+使い慣れているフリースの上にも乗らず、しじみはケージの1段目でうろうろしています。
落ち着かない様子で、まったくリラックスできないようです。
様子を見ようとケージに近づくと、警戒するように少し唸ったり、怒るような声を出していました。
トイレでくつろぐ不思議な猫
私が近づいたり話しかけたりすると、いつまでたっても落ち着けないかもしれない。
しじみをひとりにしてあげなくちゃ。
そう考えて、様子がめちゃくちゃ気になりつつ、努めて普段通りに過ごすことにしました。
ふと見ると、しじみはケージに置いておいたトイレの中で、横になってくつろいでいます。
え?
なんでトイレの中?
排泄をしているわけではなく、横になっている。
クッションの上にいるかのように、くつろいでいるのです。
トイレには、愛護センターからもらってきた、しじみが使用していたトイレの砂(少量)を入れてありました。
「しじみ、そこはトイレだよ? くつろぐ場所じゃないよ?」
そう声をかけても、しじみはこちらをちらっと見るだけで、返事をしません。
使っていたトイレの砂を少量入れておけば、新しい環境でも、その場所をトイレと認識し、猫は上手に排泄できる。
そう聞いていましたが、猫トイレで猫がくつろぐ姿を見たのが初めてだったので、もしかしてトイレだとわからないのかな、と心配しました。
トイレを覚えてくれないと困るけど、しじみがトイレに敷き詰めてあるペレット(猫砂)の上でゆったりとしている姿は、ちょっと落ち着いたのかなと思えて、嬉しかったです。
食欲旺盛で一安心!
そうこうしているうちに、夕食の時間に。
食事は、当初「ウェットフードしか食べない」と言われていたのですが、「ドライフードも食べます」と訂正されたので、愛護センターで与えられていたものと同じものを用意しました。
カルカンの子猫用ドライフードと、カルカンのパウチに入っているウェットフードです。
フードボウルにドライフードを入れ、その上にウェットフードを載せて出してみます。
しじみはしばらくうろうろしていましたが、少し経つとフードを食べ始めました。
ごはんを食べてくれて、ホッとしました。
近づくとまだ少し唸るような様子が見られたので、夜におやつをあげてみました。
フードボウルに入れたおやつを、しじみはあっという間に食べました。
環境が大きく変わっても、食欲はあるとわかり一安心です。
ただ、トイレは使いませんでした。
ここがトイレだと、わからないままなのかな?
ごはんとおやつを食べたあと、しじみはケージの2段目に置いてあるクッションの上に行き、くつろいでいる様子を見せてくれました。

トイレを本来の意味で使ってないのは心配だけど、トイレでくつろぐのはやめたみたいだから、まあいいか。
そして、この初日から、夜になって私がリビングから寝室へ行くと、リビングのケージの中にいるしじみがずっと鳴き続けるという、ちょっと睡眠不足の日々が始まったのです。
続きます!
カルカンのパウチは、現在もしじみの好物です。こちらは子猫用です。
現在も食べているもの。しじみは肉が好きではないようで、主に魚系を食べています。
現在食べているドライフードはこちら。この味が好きなようです。
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