※この記事は、この作品をこれから見る方へ向けた紹介&感想です。
映画の結末や重大な展開には触れていません。
どんな作品なのかを知りたい方は、ぜひご覧になってください。
映画『新幹線大爆破』の基本情報
『新幹線大爆破』(1975年/昭和50年/日本)
監督:佐藤純彌
原案:加藤阿礼
脚本:小野竜之介、佐藤純彌
出演:高倉健、千葉真一、竜雷太、宇津井健、ほか(昭和50年のオールスターキャスト)
『新幹線大爆破(1975年)』あらすじ(ネタバレなし)
乗客1500人を乗せた東京発博多行きの「ひかり109号」に爆弾を仕掛けた、という電話が国鉄本社公安本部にかかってきた。
乗務員たちは109号の中を捜索するが、不審物は発見できない。
「同じ爆弾を北海道の貨物列車に仕掛けてある。時速80キロ以下になると爆発するから、試してみろ」と犯人から電話を受け、運転指令長の倉持(宇津井健)は走行中であった貨物列車の運転士へ連絡する。
決死の覚悟で走行中の列車から飛び降りた運転士が見たものは、さっきまで自分たちが乗っていた列車の爆発する姿だった。
爆弾が本物とわかり、国鉄と警視庁は合同で緊急対策本部を設置する。
速度を80キロ以下に落とせないということは、停車することができないということ。
博多までノンストップで走りつづけることになった「ひかり109号」の運命は……
感想|昭和サスペンス、めちゃくちゃ面白かった!
公開50周年記念でリバイバル上映されていたので、見に行ってきました。
めっちゃくちゃ面白かったです!
犯人側の視点から物語は描かれているんですが、もちろん国鉄・新幹線内部・警察側の動きもしっかり描写されています。
その国鉄側の「絶対に爆発させない、速度を80キロ以下には落とさない、何があっても停車させない」という奮闘ぶりが、ものすごく手に汗握る展開で面白い。
ピンチが訪れるたびに、運転指令長の倉持が運転士の青木(千葉真一)にいろいろ指示をするのですが、爆弾を積んでいる新幹線を運転している青木はなかなか冷静ではいられません。
そのやりとりの緊迫さ、ピンチをどうやって切り抜けるのか、うまく回避できるのか、が気になり、スクリーンから目を離せない。
文字通り、固唾を飲んで見守りました。
主演・高倉健の重厚な演技と、昭和メロドラマ的な時代背景
犯人側(主犯の沖田:高倉健)の視点が多いので、なぜ犯行に至ったのかや、犯人がどんな人物なのかなどの描写があり、それが少し昭和メロドラマ的な感じを受けます。
というか、昭和50年公開作品なので、昭和メロドラマなのは当然です。
メロドラマというより、メロウな感じ、と言えばいいかな。
高度経済成長期で繁栄する一方、取り残されてしまう人々や、革命を起こそうと過激派に身を投じたことがある人物など、当時の時代背景が物語に色濃く影響を与えていて、それが今見るとむしろ新しいというか、懐かしいというか。
昭和という時代の資料にもなる気がします。
とはいえ、この映画は犯人側vs国鉄・警察側という構図の作品なので、必要のないメロドラマの描写はありません。
恋愛や家族の情とかですね。
必要のないメロドラマはノイズでしかないので、そういうのがほとんどないというのも高評価ポイントです。
映画はやっぱり、時を戻す装置ですね
この映画を見ると、昭和50年にタイムリープできます。
(旧)国鉄が非協力!? そうは思えない描写のリアルさ
この作品は、国鉄非協力のもと制作されたそうです。
国鉄非協力!?
だけど、それを感じさせない迫力です。
もちろん今見ると、この時代にできる特撮の限界のようなものは感じてしまいますが、ストーリー展開がスリリングで面白いので、そんな瑣末なことは気になりません。
「うわー面白かった、えーー面白かったよ、えーーっすっごい面白い映画じゃないこれ!?」
と鑑賞中も鑑賞後も大興奮です。
映画『シン・ゴジラ』(庵野秀明監督)との共通点に震える
見ていて、『シン・ゴジラ』を思い浮かべました。
その道のプロフェッショナルたちが、自分の仕事、やるべきことを、やりとげようと奮闘する姿が、『シン・ゴジラ』を連想させたわけですが、むしろ『シン・ゴジラ』がこの作品の影響を受けている、というのが正しい。
本当に影響を受けているのかはわかりませんが、庵野監督は絶対この映画好きだと思います。
映画館で特典として、昭和50年に作られた新聞風チラシをもらいました。
今回のリバイバル上映のために作成したんじゃなくて、当時作られたものだそうです。
チラシのおもて面。

チラシのうら面。

紙も劣化してないし、すごくきれいな状態です。
東映本社にずっと保管してあったのかな?
Netflix版『新幹線大爆破(2025)』が気になる!
Netflixで、『新幹線大爆破』のリブート版『新幹線大爆破(2025)』が配信されているそうです。
時代設定は現代で、舞台は東北新幹線。
JR東日本全面協力のもと、JR側からの視点で描かれる物語、だそうです。
そんなの、めっちゃくちゃ面白いに決まってるじゃん!
オリジナルの『新幹線大爆破』だって、私が一番面白く固唾を飲んで見守ってたのは、国鉄側の人々の動きですからね。
次々に襲いかかってくるピンチを、システムを熟知した国鉄職員たちが協力して乗り越えていく職人技に、ものすごく痺れました。
Netflix、契約するしかない!
リブート版『新幹線大爆破』のために、Netflixを契約しようと思います。
それはそれとして、このリブート版『新幹線大爆破』も、映画館で公開してほしいなあと熱望しています。
映画館の大画面で見るのが絶対に楽しいと思うので、IMAXレーザーでの上映を期待しています!
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