あっという間に人は死ぬから/佐藤 舞(サトマイ)

本の紹介

スマホでゲームしたり、YouTube動画見たり、LINEのメッセージをやりとりしたり。
なんてことをしていると、あっという間に1日が終わってしまいます。

今日も何もできなかった。
何もしないで、1日が終わっちゃったなあ。
でも、こんな日があってもいいよね。

と思って毎日を過ごし、気づくと一年が経過している。

どうしてこんなに時間が経つのが早いのか?
なぜ、何もできずに1日が終わってしまうのか?

ぼんやりスマホをいじっているからなんですが、それにしても時間の経過が早すぎない?

と感じ、これをどうにかできないかなと思っていたときに、この本と出会いました。
価値観マップを作ったことがありますが、この本を読んだことで、さらに自分の価値観を鮮明にすることができる、と思うようになっています。

価値観の見つけ方、考え方が、今までに触れたものの中で、一番しっくりくる説明がされていると感じたので、内容を紹介したいと思います。

情報

タイトル:あっという間に人は死ぬから
著者:佐藤 舞(サトマイ/統計のお姉さん)
出版社:KADOKAWA

要約

やりたいことがやれていないのに、スマホをいじり、SNSやYouTubeをだらだらと見続け、ゲームで遊んで、1日が終わってしまう。
今日も何もできなかった。
どうして、やろうと思っていたことをしないで、他のことをしてしまうんだろう?

時間を食べ尽くすモンスターの正体とは?
そのモンスターは、どうやったら倒せるのか?
時間の浪費は何故起こるのか?
それを解き明かし、時間だけが過ぎていく人生から脱却しよう!

価値観の見つけ方、価値観をもとにした目標設定の方法など、自分の人生を主体的に生きていくための方法がわかります!


この本を読んで得られた結論

自分の人生にとって大切な価値観を見つけることで、主体的に生きられるようになる。

内容のまとめ

時間の浪費は何故起こるのか?

人生の3つの理(死・孤独・責任)から逃げることに時間を使っている。それが浪費の正体である。
傷つくことや苦しいことを回避しようとして、代わりの行動を取るが、それは短期的効果しか得られず、長期的効果はないに等しい。

現実逃避をしてしまうのは何故か

『現実逃避』とは、『防衛機制』である。
不快な感情体験を弱めたり避けたりして、心理的な安定を保つために無意識的に用いられる手段。
ストレスから逃げるためにやっている行動。
「その回避行動や逃避行動によって、自分の人生の質が長期的に下がってしまわないか」
逃避行動や回避行動を取ってしまうのは普通のことであり、誰もがそうであるが、その行動の元となっている要因に気づくことが重要。

自分は怖いと感じている、不安である、ということに気づき、それを受容する。
そのことに気づきやすくなるトレーニングとして、瞑想がおすすめ。

「あなたの人生については、あなたが一番の理解者であり、ライフコーチであり、伴侶である」
セルフコーチングしていく。

心配事の80%は起こらないし、16%は準備していれば対応可能。つまり、心配事の96%は実際には起こらない。
望ましい人生を進めるにあたって、心理的な苦痛が伴うのは誰しも経験すること。
苦痛を感じていることに気づき、不安や恐怖を受け入れたうえで、どこに向かって、どのように行動するかを主体的に選択していく。
自分自身に設定された制約や思い込みを乗り越え、新しい可能性を模索することが重要。

できるだけ安全だと感じられる環境で、少しずつ恐怖や不安に慣れさせる方法=エクスポージャー法(暴露療法)がよい。

すべての悩みは人間関係である(アルフレッド・アドラー)

「本当は、自分は誰かに必要とされたいのだな」という本心に気づく。

「人を動かす唯一の方法は相手の自己重要感を満たすことである」(デール・カーネギー)
自己重要感とは、自分は他者から大切な存在として扱われているという感情。
自分を重要な存在として敬意を払ってくれる人に対しては好意や信頼を感じる。

自己重要感が脅かされている

他人とうまくやれていないと感じる

社会的な役割の危うさに直面する

メンタルにいい変化をもたらすプロセス

①気づく(マインドフルネス)
②受け入れる(アクセプタンス)
③重要なことに取り組む(コミットメント)

②受け入れる(アクセプタンス)について
自分が不快な気持ちになったからといって、悪い出来事が起きているわけではない、ということがポイント。
自分の感情が出来事を正確に表していると推論してしまうことを『情緒的な理由づけ』という。

「~と思った」と付け加えることで、客観視しやすくなる。

「自分のあるべき姿」と「あるがままの自分」が同じ状態を「自己一致」という。
自己一致の状態にある人は、自然体で人を惹きつける魅力があり、表裏がなく、さっぱりとしているので、一緒にいると快適。
自己一致の状態を目指すには、自分で人生で何が欲しいのか、何を大切にしたいのかを分かっていることが重要。

自分の価値観が見つかると、今自分がやるべきことが明確になり、スムーズに行動に移せるようになる。
95%の人は「自分のことを理解している」と考えているが、実際の理解度は10~15%程度。

CBTからACTへ

  • CBT(認知行動療法)

認知と行動:自分でコントロールしやすい
感情や身体反応:自分でコントロールしにくい

認知と行動を変えることで感情や身体反応、そして結果を変えていく

  • ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)

①アクセプタンス
現実を受け入れ、そのうえで行動を起こす

②脱フュージョン
“自分の考えや感情”と“自分”を一体化(フュージョン)させない
自分の考えを客観的に観察することで、それに振り回されることなく、より意識的な行動が可能となる

③価値観(Values)
自分の価値観を明確にし、それに基づいて行動することがACTの中心的な目標のひとつ

④今この瞬間に集中する

⑤コミットされた行為
目標に向かって進むための行動計画を立て、それを実行し、より豊かな人生を実現する

⑥文脈としての自己(Self as Context)
自分自身を客観的に捉える視点を持つことが重要
自分の考えや感情に捉われることなく、より広い視野から自己を捉えることができる

自分の価値観を明確にする

確固たる自分というものは存在しない。
「自分」にこだわらず、どのように自分の価値観を見つけるか?

「今ここにいる自分が、自分の子供だとしたら、どのように接するか」
何を大切にするよう伝えるか?
どう関わっていくよう伝えるか?

大切にしたい価値観

自分自身の価値観の追求は、自己実現とは似て非なるもの。
一歩一歩足を前に進めているという主体的な行動こそが、人生において大切にする価値観である。

価値=単語で表現するもの(友情・自己成長・誠実など)
価値観=単語ではなく文章で表現するもの

ACTでは感情にとらわれず、自分がコントロールできる日々の行動に目を向けることを重視している。
自分ができることに励むことが心地よい、励んでいる自分を尊く感じられることが価値観。

どのように世界を関わっていきたいのか、という個人の核となる信念や意図=内側から泉のように湧いてくる、あなた自身の強みになり得るもの

価値観というのは、闇の中のまたたく光であり、死を想ってもなお、消えずにそこに見えるもの
死を想ったときに、どういう人生だったら、「生まれてきてよかった」と思えるのか

価値観に合った目標を設定する

自分の価値観に合った習慣を身につけて人生を変えていこう

目的……人生を通して大切にしたい価値観
目標……こういう状態になっていたい、目に見える到達目標
手段……目標を達成するための具体的行動、自分との約束ごと

目標と手段を1週間に一度見直して修正していく。
見直しのたびに修正したり、諦めたりすることが上手になる。

目標を立て直し、経路は複数から選べる状態にする。

毎週見直して修正する。

3つの理と3つの原則

  • 3つの理

①人は死ぬ
②人は孤独
③人には責任がある

  • 3つの原則

①変えられないものと変えられるものを区別せよ
②人生に対して主体的に参加せよ
③人生に苦は必要である

  • 変えられないものと変えられるものを区別せよ!

変えられないもの:私の場合

内向的で、情報量の多い場所ではどっと疲れる。
大人数で話すことが苦手。
話す相手がどんどん変わっていくことが苦手。

変えられるもの:私の場合

自分が仲良くなりたいと思っている人と、少人数の場であれば会うことが可能。
自分が主体的にできる行動は「自分から誘う」こと。
自分から、自分の伝えたいことを話してみる。
伝えたいことを文章で表現する。

内向的だからといって、強い結びつきの人(家族・親しい友人)とばかり固まっていたら、新しい機会はなかなか生まれない。
強い結びつきは、主に情報や感情の支援を提供する役割を果たし、社会的な安定性やアイデンティティ形成に重要。
弱い結びつきは、情報の支援や新しい機会の発見において特に重要な役割を果たす。

つまり新しいチャンスは、人見知り程度の弱い結びつきの人間関係からやってくる。

目的(価値観)は、より詳細に、鮮明になっていくもの

目的に向かうために、目標を立て、到達するための手段を考え実行していく。
毎週見直して修正する。
手段(経路)は複数から選べる状態にする。
修正していくと、目的(価値観)はより詳細に、鮮明になっていく。

この本から学んだこと

自分の中にある太陽、向かうべき場所(=価値観)を見つけ、そこへ到達するための目標を立て、その道筋となる手段を設定し、ひとつひとつ実行していく。
うまくいかなければ、手段を変える、目的を立て直して修正していく。
価値観の本筋は変わらないが、目的と手段を修正していくことで、より詳細で鮮明なものになっていく。
自分の人生にとって大切な価値観を見つけて、主体的に生きていこう。

コメント