コモンプレイスブックとなんでもノートの共通点と相違点
前回の記事で、ロルバーンのA5リングメモを「なんでもノート」として使っている、と紹介しました。
「なんでもノート」になんでも記録していく中で、「コモンプレイスブック」というノート術、記録術のことを知りました。
その概要を聞いたとき、「それ、なんでもノートじゃん」と思いました。
以下のような共通点があったからです。
「思いついたこと、記録しておきたいこと、情報をなんでも、1冊のノートに書いていく」
しかし、詳しく調べていくと、共通点はこれだけで、ほかは結構違っていました。
「コモンプレイスブック」は、情報を1冊のノートに集約させるだけではなく、その情報をジャンル分けします。
この「ジャンル分けをする」ことこそが、「コモンプレイスブック」の真骨頂であり、「なんでもノート」との決定的な違いだな、と感じています。
現在、そして未来に向けて、手帳やノートに情報を集約させたいと思っている方に、「コモンプレイスブック」は役に立つ可能性が高いです。
しかし私には、「なんでもノート」のほうが合っている、と思っています。
この記事では、「コモンプレイスブック」についての解説と、「なんでもノート」との違い、それぞれの特徴についてお伝えします。
2つのノートの違いを知ることで、これからの手帳・ノート使いの参考にしてもらえたら嬉しいです!
コモンプレイスブックとは?
自由に書きとめたアイディアや情報を、ジャンルごとに色分けしてまとめたノートのことです。
起源はルネサンス時代からという、昔からある記録の方法です。
ヨーロッパで発展し、知識を整理するためのツールとして活用されてきたものになります。
さまざまな使い方ができますが、主に思考の整理や情報収集、読書ノートなどとして活用できると思います。
コモンプレイスブックの作り方
①ノートを1冊用意する
なんでもいいです。
自分の好きなノート、手帳を選びましょう。
持ち歩くことになるし、保管しておくことになると思うので、気分のあがるデザインのものを選ぶといいと思います。
ただ、ジャンル分けのためにマーカーを使用するので、インクがあまり裏写りしない紙のノートを選ぶことをおすすめします。
ロルバーンやMDノートがおすすめです。
が、本当になんでもいいです。
②色分けのために、マーカーを用意する
マーカー用のペンを用意するのもいいし、百円ショップなどに売っている、丸型のシールを用意してもいいと思います。
要は、色分けすることができればいいんです。
自分の好みのものを用意してください。

私の愛用しているマイルドライナー。
かわいいです!
③キー(好きな情報のジャンル)と色を決める
と言われてもイメージできないと思うので、見本の写真を載せておきます。

こんな感じで、「情報のジャンル」と、それを表す色を決めておきます。
あとで追加できるので、とりあえず思いつくものだけでいいと思います。
「本」はパープル、「映画」はミモザ、など、ジャンルごとに色を決め、それをわかりやすく参照しやすいところに書いておきます。
通常はノートを開いた一番最初のページや、表紙の裏などに書くことが多いです。
もしくは、いつでも確認できるよう、キーを書いたメモをしおりのようにして、現在使っているページに挟んでおくのもいいかもしれません。
④思いついたこと、集めた情報をノートに書き留めたり、貼り付けたりする
なんでも思いついた順に書いていきます。
「本」のことはこのページにまとめよう、などと考えず、そのまま記録していきます。
⑤その情報を、ジャンルごとに色分けしてマークする
「本」について書いたら、その情報の先頭に、あらかじめ決めておいた色であるパープルをマークします。

こうすることで、情報の中身を確認しなくても、「この色が付いているということは、これは本について書いたものだな」とわかります。
こうして作成したコモンプレイスブックには、すべての情報がジャンルを問わずに集まっているので、「あの情報、どこにメモしたっけ?」といろんなメモ帳やノートを探し回る必要がなくなります。
すべてのことが、1冊のノートに書いてあるからです。
⑥情報をまとめたり、思考を整理するのに活用する
「あの件についてまとめよう」「このアイディアを具体化しよう」と思ったら、ジャンル分けしたマークを目印にして必要な情報を集めることができます。
それをまた同じノートに書いていけば、自分の思考の流れや情報の集まり方も把握できるので、思考やアイディアがとっちらかる、ということがなくなると思います。
……と説明すると、「なるほど~!」って感じなんですが、実際にこれをやろうとすると、結構めんどくさいというか、煩雑かなーと個人的には思っています。
それは“デメリット”のところで説明します(個人の見解です)。
コモンプレイスブックのメリット
- ノートが1冊あれば完結する。
思いついたこと、調べたこと、これから調べたいことなどを、そのまま書き出したり書き留めたりできるので、情報を1冊に集約できる。
- 色分けすることで、アイディアや情報をジャンル分けできる。
書き留めたときはばらばらだった情報を、あとで見返したときに、ジャンルごとに拾い上げてまとめることができる。
- アイディアを具体化できる。
思いついたことをそのまま書き出していき、あとでまとめたり取捨選択をしたりして、具体的な行動に移しやすくなる。
- 思考を整理できる。
自分の考えを書き出して、集めた情報を関連づけたりすることで、思考を整理することができる。
コモンプレイスブックのデメリット
- どこになんの情報が書いてあるのか分かりづらい。
色を付けることでジャンル分けは可能だけど、ひとつひとつの情報がどのページに書いてあるのかが分かりづらい=見つけづらい。
- 何か書いたら、すぐにジャンル分けをしなければならない。
書くだけ書いて、あとで色分けしよう、と思って忘れてしまうと、これが何の情報だったのかわからなくなってしまう。
色分けを後回しにして、まとめてやろうとすると、とてもめんどくさい。
個人的デメリットからわかる、一元化or分冊の向き不向き
私がコモンプレイスブックに感じているデメリットを簡単に説明すると、以下の2点です。
①情報のジャンル分けがめんどくさい
②必要な情報といらない情報が入り混じっているので、わかりにくい
これは、手帳やノートを一元化する(1冊に集約する)か、分冊する(目的に応じて複数を使い分ける)か、の指針にもなるかもしれません。
私と同様に、「①ジャンル分けがめんどう」「②情報が入り混じっていてわかりにくい」と感じる人は、分冊のほうが向いているんじゃないかと思います。
映画のことは映画専用手帳に書く、本の感想は感想ノートに書く、ということですね。
個人的な感覚ですが、コモンプレイスブックは「整理整頓が得意な、ミニマリスト的気質」の人に向いている気がします。
そういう人は、ジャンル分けを後回しにしたりしないと思いますし。
私は明らかに、ジャンル分けを後回しにして忘れてしまうタイプです。
そういう人間には、ジャンル分けをしない「なんでもノート」が合っているな、と思います。

「なんでもノート」でジャンル分けをしない理由
まとめると、「コモンプレイスブック」は、「現在~未来へ向けての情報集約」で、「(私のやっている)なんでもノート」は、「過去の情報集約」です。

(画像作成:Napkin AI)
この明確な違いからわかることは、「なんでもノート」では、ジャンル分けの必要がない、ということです。
ジャンル分けを「しない」のではなく、「する必要がない」。
なぜなら、過去の情報の集約だからです。
必要時には見返すけれど、普段は頻繁には開かない性質のものなので、わざわざジャンル分けしなくてもいいんです。
「いつ、どんな病気になったのかの一覧を作る」場合などには、「なんでもノート」にそれが書いてあるので、そこから情報を集めてくることができます。
必要に応じて、情報をまとめることはあるけれど、日常的・定期的に見返してまとめる、整理する、ということはしなくても大丈夫。
その情報が必要なときに、それを探し当てることができればいいのです。
そしてまとめたものは、最新の「なんでもノート」に書いておけばいい。
情報の更新もできて、完璧です。
自分に合ったノート術を楽しもう
「なんでもノート」と「コモンプレイスブック」は、比較すると違う部分が多くありますが、どちらも“自分に関する辞書”のようなものだと思います。

(画像作成:Napkin AI)
自分の好きなこと、興味のあること、行きたい(行った)場所などの情報が集まってくるからです。
取扱説明書、とも言えるかもしれません。
また、使い終わったコモンプレイスブックは、あとで見返したときには、「なんでもノート」とほぼ同じ役割を果たすはずです。
自分に合った好きなやり方で、自分だけの辞書や取説を作ってみるのも、楽しいんじゃないかと思います。
この記事を読んで、興味を持ったら、ぜひ“自分だけの辞書、自分の取扱説明書”を作ってみてください。
楽しいですよ~!
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