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インド映画『JAWAN/ジャワーン』のマサラ上映に参加しました②

日々のできごと

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※この記事では、マサラ上映参加の報告にともない、インド映画『JAWAN/ジャワーン』を紹介しています。
予告や公式サイトでわかる程度の展開には触れていますが、映画の結末や重大な展開には触れていない、ネタバレなしの紹介記事です。

どんな作品なのかを知りたい方は、ぜひご覧になってください。
この記事で、この映画に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

インド映画『JAWAN/ジャワーン』の紹介

『JAWAN/ジャワーン』(2023年/インド/日本公開2024年)
監督:アトリー
音楽監督:アニルド・ラヴィチャンダル
出演:シャー・ルク・カーン、ナヤンターラ、ヴィジャイ・セードゥパティ、ディーピカー・パードゥコーン、ほか

2023年インドNo.ヒット作!
ボリウッドとコリウッドが完全タッグした、マサラ度200%の超大作!
“キング・オブ・ボリウッド”シャー・ルク・カーン主演、監督はコリウッド(タミル語映画界)の若手ヒットメーカー!

かっこいい女性陣と男性陣のアクションあり、歌と踊りあり、笑いあり涙あり。
娯楽としての“映画”を体現しているような作品です。
なんといっても、主演のシャー・ルク・カーンがかっこいい!
ありとあらゆる魅力が大爆発しています!
一粒で二度美味しいとは、まさにこのこと!
インド映画をよく知らない方の入門にもおすすめです!

ボリウッド、コリウッドってなに?

この紹介文を読んで、インド映画をよく知らない人は、こう思うんじゃないかなと思います。

ボリウッド? ハリウッドと何か関係があるのか?
コリウッド? ハリウッドと(略)

この辺について説明すると長くなるので、さくっと伝えると、映画大国インドはさまざまな地域で映画が作られていて、その代表的な拠点として、ボリウッド、コリウッドなどと呼ばれているところがあります。

ボリウッドは、ボンベイ(現ムンバイ)+ハリウッド。
ボリウッド映画とは、ムンバイ(旧ボンベイ)を中心とした北インドで制作されている映画のことで、言語はヒンディー語です。
インド映画は歌って踊るもの、と思っている人がイメージするような映画は、大抵ボリウッド映画です。

ちなみに『RRR』はトリウッド(テルグ語映画界)映画です。

初めて聞く人には何が何やら、という感じかと思うので、インド映画の基礎知識紹介として、別記事を書きたいと思います!

『JAWAN/ジャワーン』のあらすじ

地下鉄の車両に続々と乗り込んでくる、怪しい6人の女性たちと、包帯だらけの謎の男(シャー・ルク・カーン)。

彼らは乗客全員を人質にし、車両をジャックする。
要求は政府に対する4千億ルピー。
そんな大金は払えないという返答に、謎の男は告げる。

「政府が払えなくても、他の人間が払うだろう」

乗客の1人である武器商人カリ(ヴィジャイ・セードゥパティ)の娘に電話をかけさせ、謎の男は娘1人の身代金として4千億ルピーをあらためて要求する。
政府から交渉人として選ばれたナルマダ(ナヤンターラ)との間で、不敵な態度を崩さず交渉を続ける男は、身代金が支払われたことを知ったあと、カリの娘に「君の父親にこう伝えてくれ」と伝言を頼む。

謎の男と人質の乗客が乗っている電車が次の駅に到着するのを待ち、突入の準備をするナルマダたちだったが……

最初からクライマックスの、怒涛の展開

最初からクライマックス!

そうとしか言いようがない。

あらすじで語られる地下鉄ジャックも、すごく鮮やかでテンポが良く、引き込まれていきます。
包帯だらけの謎の男と、一癖も二癖もありそうな、有能そうな女性たちが次々と車両に乗り込んでいく。

女性の1人がパソコンでネットワークを操作し、ギターケースに隠した銃器がセンサーを通過する際に、ギターだと誤認させたりと、なんかすごいことが始まりそうだぞ!? という予感でワクワクの導入から、一気に展開していきます。

謎の男と6人の女性たちの目的は?
彼らは誰で、なんのためにこんなことをしているのか?
交渉役のナルマダとの因縁はどうなるのか?

と、次々に興味を引く展開が続いていく、最初から最後までクライマックスな映画です。

インド映画における「歌」と「踊り」の意味

インド映画といえば、歌って踊るんでしょ、と思っている方が多いと思いますが、すべてのインド映画で踊っているわけではありません。

とはいえ、大体踊っていたりするのも事実です。
ただ、歌や踊りも、映画によって使われ方が違います。

心情を表すために、台詞の代わりとして歌われる歌。
感情を表現するための、歌と踊り。

最近はそうでもないかもしれませんが、以前のインド映画では、男女の密接な接近描写(顔を近づけるなど)があまり見られなかった(表現として許容されていなかった)ため、「この2人は恋に落ちましたよー!」ということを表現するために、恋に落ちた男女が情熱的な歌に合わせて踊ることで、その気持ちを表現していたのです。

ラブシーンをそのままラブシーンだとわかるように演じることが許されていなかったから、歌と踊りで表現していたんですね。
もちろん、ラブシーン以外でも、「村一番の強い男」「女神のように美しい女性」「家族の絆」「熱い友情」なども、歌と踊りで表現されます。

その、「歌と踊りで感情を表現する」というのは、今も行われていますが、以前ほどの「急に歌と踊りが始まったぞ!?」のような唐突感はないと感じます。

ミュージカルより、むしろ歌舞伎に近いかも?

2人が出会って、恋に落ちた。
この感情の盛り上がりを表現するには、ここで歌と踊りを入れなきゃでしょ!
という感じで、違和感なく見ることができます。

物語の中に歌と踊りがあると聞くと、西洋のミュージカルのようなものかな、と考えると思いますが、ミュージカルとはまた別のものだと思っています。

どちらかというと、スタイルとしては歌舞伎に近いかもしれない。

私は歌舞伎を劇場で鑑賞したことがないので、誤解しているかもしれませんが、歌舞伎では「見栄を切る」というのがありますよね。
物語の見せ場で、演者がバーンとポーズを決める、というような感じです。
時代劇にも、そういうのがある気がします。

そういう、見栄を切る、バーンとポーズを決める、というのを、インド映画では「歌と踊り」でやっているんです。
「歌と踊り」は感情表現であり、俳優のかっこよさ・美しさをこれでもかと見せつけ、決めポーズを取るものでもあるんです。

マサラ上映は観客も一緒に物語を盛り上げる

この、感情の盛り上がりや、ここで見せ場がくるでしょ、と予想できるような場面で、歌や踊りが始まると、とても興奮します。

だよね! 歌うよね! そりゃ踊るよね! という感じです。

通常の上映では、心の中で「きたーーーーー!」と思って静かに興奮していますが、マサラ上映では、その興奮を外に出してもいいのです。

つまり、見ている観客のほうも、感情を表現してもいいんです。

好きなスター俳優(『ジャワーン』なら、シャー・ルク・カーン)が登場したら、歓声を上げてタンバリンを鳴らし、指笛を吹く。
かっこいいアクションシーンではBGMや歌に合わせてタンバリン、手拍子をし、見事に敵を倒したら盛大な拍手を送る。

華麗なダンスにも手拍子、タンバリンを鳴らし、登場人物たちの感情の盛り上がりに合わせて、その場も盛り上げる。
ガンアクションでは、銃を撃つのに合わせてクラッカーを鳴らす。

盛り上がるシーンがたくさんあるので、そのたびに紙吹雪が舞い上がり、タンバリンが鳴り、歓声が上がる。

最高です。

初めてこの映画を見る人がマサラ上映に参加した場合、紙吹雪で画面がよく見えないところも正直あるし、台詞が聞き取れない可能性もありますが、ノープロブレムです。

台詞は字幕を見ればいいし、よく見えなかった画面があったり、展開がよくわからなかった部分があるなら、もう1回見ればいいんです。

2回目鑑賞のほうが楽しめる、でも初めてでもノープロブレム!

私は『ジャワーン』を映画館で見るのは、これが2回目でした。

1回目は日本で上映された2024年に、普通にシネコンで見ました。

そして2回目の映画館での鑑賞が、今回のマサラ上映だったわけですが、1回見ているから話の展開を知っているし、どこに見せ場があるのかも大体わかっている。

なので、見ながら「くるぞくるぞ、きたーーーーー!」という感じで歓声を上げたりタンバリンを打ち鳴らしたりできて、すごく楽しかったです。

タンバリンは、左隣に座っていた、シャー・ルク・カーンのコスプレをしている男性に貸してもらいました。
前半が終了した際、何も道具を持ってきておらず手拍子をしていた私に、「タンバリン使いますか?」と声をかけてくれたのです。

この映画館では、私はいつも最前列に座ります。
2列目以降に座ると、前の人の頭が邪魔で画面がよく見えなくなるんです。
シネコンと違い、座席に適度な段差がないんですね。
なので今回も最前列に座りました。

私の左隣に、コスプレをしている、タンバリンを貸してくれた男性が座り、右隣に、お花紙で作った紙吹雪を大量に持ってきている、マサラ上映参加歴7年の猛者の女性が座っていました。
ロビーで私に話しかけてくれた、最初の女性です。

この女性が、紙吹雪を舞い上げるのがとてもうまくて、まさに職人技でした。
下の方から上に向かって紙吹雪を舞い上げるんですが、他の人の鑑賞の妨げにならないように、床にしゃがんだ状態で、腕と体全体を使って、舞い上げているんです。

後半が始まる前に、劇場のスタッフの方や他の参加者から、クラッカーや紙吹雪を分けてもらったので、後半では私も紙吹雪を舞い上げようとしてみましたが、全然舞い上がらないんですよ。
私がやっても、その位置から下に落ちていくだけなんです。

紙吹雪舞い上げの職人技の見事さと、熱意

サッカーの試合の応援で、大きい旗を下から上に振り上げている人がいますよね。
猛者の女性がやると、あんな感じで紙吹雪が下から上にぶわーっと舞い上がり、そしてひらひらと落ちてくるんです。
これは相当に練習しないとできるようにならないだろうな、と思いました。

右隣の女性が紙吹雪を舞いあげるたび、落ちてきた紙吹雪が私の全身に降り注ぐので、最初は紙吹雪が腕にくっついたりする感触に慣れず、むず痒さのようなものを感じたんですが、映画の内容に夢中になって歓声あげたり手拍子したりしているうちに、そんなことはどうでもよくなりました。

むしろ、紙吹雪が降りそそぐなんて、この席最高のチョイスじゃない? と思いました。

紙吹雪職人の見事な技も間近に見れます。
タンバリンも貸してもらえました。
猛者2人に挟まれて座っている状態での鑑賞、すごく楽しかったです。

上映を盛り上げたいという熱意と厚意

紙吹雪を舞い上げていた女性は、画面はちゃんと見れていなかったというか、映画を鑑賞するということはできてないんだろうなと思いましたが、ここまで見事に場面に合わせて紙吹雪を舞い上げられるということは、この映画をすでに何度も見ていると思われます。

つまり、盛り上げ役に徹しているのかな、と思いました。
だけど、劇場スタッフに頼まれてやっているわけではない。
みずから盛り上げ役として頑張っている。
マサラ上映を盛り上げるために。

本当にマサラ上映が好きなんだな、インド映画が好きなんだな、他の観客の皆さんに喜んでもらいたいんだなと思って、胸が熱くなりました。

「ありがとうございました。楽しかったです」くらいしか言えませんでしたが、またマサラ上映に参加できる機会があれば、私も盛り上げ要員として頑張りたいなと思いました。

紙吹雪舞い上げ職人への道は遠そうなので、まずは自前のタンバリンを持ってくる。
そもそもタンバリンを持ってないから、購入する。
ここから始めようと思います。

応援上映との違いと、手作りの上映イベント

インターバル(休憩)では、ロビーで劇場スタッフの方から、温かいチャイが振る舞われました。

インド映画のマサラ上映で、チャイが振る舞われる。
他のマサラ上映ではどうなのかわかりませんが、すごくあったかくて手作り感のあるイベントだな、と思いました。

最近の映画館では、応援上映というものが行われることがあります。
映画を見ながら、サイリウムを振ったり、声援を送ったりしてもいいという上映です。

このような上映は以前から時々あったんですが、火付け役となったのは『ボヘミアン・ラプソディ』かなと思います。
この映画で、歌を一緒に歌ってもいい上映というのが、流行ったんですよね。

声援を送ってもいい応援上映には、一度参加したことがあります。
楽しかったですが、声援に制限がなかったので、この場面でそんな声かけする? と思うような声を画面にかけている人もいて、それが少し残念でした。
罵声ではないんですが、それ応援じゃないよね、というような声かけです。

なんでも言いたいことを言っていいという上映ではなく、みんなで盛り上がるために、ある程度の節度を持って、みんなが楽しめるように、そして自分が楽しく映画を見られるように、全力で参加する。

今回のマサラ上映は、そういう意味で本当の参加型上映イベントだな、と思いました。
劇場側がちゃんと“ルール”を設けていたこと、それを参加者が守っていたこと。
歓声は歓迎だけど、画面への声かけはNGという明確なルールがありましたからね。
声かけOKにしちゃうと、その場にそぐわないことを言ってしまう人もいるので、「歓声のみOK」はいいルールだと思います。

自分が楽しいだけじゃなくて、みんなで楽しもう、という気持ちで参加することが大切なんだなと実感できる、いいイベントでした。

上映後の片付けまでが、マサラ上映

上映終了後に、参加者全員で後片付けをしたのも、いい経験でした。

床や座席に散乱している紙吹雪やクラッカーを集めて、袋に入れていく。
楽しかった上映の余韻を味わいながら、異空間だった劇場を日常の空間へ戻していく。

家に帰るまでが遠足です、という言葉がありますが、後片付けをするまでがマサラ上映なんですね。

マサラ上映、また参加したいです。

劇場側の準備とか、盛り上げ役の人が参加してくれるかとか、実際の開催に漕ぎ着けるのは、簡単なことではないと思います。
それでもいつか、マサラ上映で『RRR』を見たいという欲望があります。

『RRR』を見ながら、歓声を上げたり、歌を一緒に歌ったり、タンバリン鳴らしたりしたいです。
ラーマ(『RRR』の主人公)のために赤いサイリウム、そしてビーム(『RRR』の主人公)のために青いサイリウムを用意しないとですよね。

もしそれが実現したら、私もマサラ上映の盛り上げ役の一員になれるように、いろいろ頑張ってみようと思っています。

 

『JAWAN/ジャワーン』の公式Youtubeで公開されている、劇中の歌とダンス

 

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